今回はロシアの人口と高齢化について書きます。ロシアは人口減少の問題に直面しています。寿命が低いのも特徴的ですが、今後寿命が延びるのは確実で、いずれ高齢者の増加という問題にも取り組まなければなりません。すでに年金に関するニュースがたびたび報じられています。人口の高齢化はほぼ世界的な傾向で、ロシアも例外ではないようです。この人口問題について簡単な表を作成しました。
ロシア・日本の人口予測表
ではさっそくロシアの2050年までの長期人口予測の表を掲載します。国連による推計で、中位予測値・高位予測値・低位予測値の3つをまとめています。人口規模予測の下には60歳以上人口の総人口に対する割合を、さらにその下の列では、中位数年齢の予測を載せています。最後にロシアの現在の高齢化の水準が日本のいつ頃に当たるのかをみるため、日本の1990年から2015年までの数値を合わせてまとめました。
表をみるとロシア人口規模は2015年より2050年にかけて低・中・高のどの予測値でも減少が予測されています。
次にロシアの60歳以上の割合は2015年より35年後に25%から32%の間で落ち着くとの予測です。
中位数年齢においては、高位予測値のみ2歳低下して36.6歳に、低位予測値では2015年より6歳以上あがって45.2歳になると予測されています。
現在のロシアの高齢化水準は日本の1990年代前半に近い
では以上のロシアの数値は日本と比較してどうなのでしょうか。人口のうち60歳以上が占める割合は2015年のロシアで20%(4人に1人が60歳以上)となっています。同じ2015年で比較すると日本は33.1%(3人に1人)です。ロシアがその水準に達するのは少なくとも2040年以降と予測されます。また、ロシアの20%という数値は1995年の日本と同水準です。
つづいて中位数年齢をみると、ロシアは2015年で38.7歳となっています。日本は46.5歳です。日本と同じ水準には2040年以降までに到達することはないことがわかります。また、ロシアの現水準は日本の1990年代前半に近い数値となっています。
以上について議論することは避けますが、人口の高齢化水準に限ると、現在のロシアは日本の1990年代前半頃の水準であることは言えそうです。