ロシアのヤマロ・ネネツ自治管区とは
今回の記事ではカザフスタンより北極圏へ北上したところに位置するヤマロ・ネオツ自治管区を取りあげてみようと思います。そしてヤマロ・ネオツ自治管区の中でも重要なサレハルドとノヤブリスクの2つの都市をピックアップします。この2都市を知ることで、ロシアとエネルギーの関係性が見えてきます。
ヤマロ・ネオツ自治管区の位置↓
ヤマロ・ネネツ自治管区の概要
ヤマロ・ネネツ自治管区は中央アジアのカザフスタンとほぼ同じ経度にあります。緯度としてはロシアでも北方にあり、最南端の地点でも北緯60度を超えます。ヤマロ・ネネツ自治管区は北極圏に含まれる部分があり、オーロラも発生するようです。土地の形状をみると北方に2頭が顔を出すかのように突き出て、2頭の間をオビ湾が流れている様子がわかります。ウラジオストクが南に向かって突き出しているのと対照的です。ここでウラジオストクを引き合いに出したのは適切ではないかもしれません。なぜならヤマロ・ネネツ自治管区の面積はウラジオストクと比べるべくもなく、日本の約2倍を有します。オビ湾はカラ海とつながっています。西にはウラル山脈が控えています。
サレハルド(ヤマロ・ネネツ自治管区オビ湾の入り込んだ先にある都市)
オビ湾がロシア中位部までそそいだところにヤマロ・ネオツ自治管区の中心都市であるサレハルドが位置しています。モスクワから2000㎞北方にあるサレハルドは、港町として16世紀末より栄えていたようです。歴史上の多くの商業都市がそうであったように、サレハルドもオビ湾の恩恵を受けた要所だったのでしょう。ロシア商人が港町の繁栄に大きな役目を果たしたのは間違いないでしょう。
ノヤブリスク(ヤマロ・ネネツ自治管区の南方に位置する都市)
サレハルドの南東にヤマロ・ネオツ自治管区の2つ目の大きな都市であるノヤブリスクがあります。ノヤブリスクからはサレハルドやモスクワ行きの飛行機が就航しています。ノヤブリスクがロシア史上重要になるのはソ連時代の石油開発があったためです。ちょうど石油価格が高騰した1970年代に開発が進みました。石油、天然ガスがロシア(ソ連)にとって重要な戦略資源であったため、ウラジオストク同様に閉鎖都市でした。ソ連崩壊後には開放されたようですが、資源で潤う経済が逆に悪影響をもたらし始めました。汚職や腐敗です。
ヤマロ・ネネツ自治管区からみたロシアとエネルギーの関係
今回はヤマロ・ネオツ自治管区の2大都市としてサレハルドとノヤブリスクを記事にしました。サレハルドは港として比較的早くにロシア史に登場しますが、ノヤブリスクが注目されるには1970年代以降です。サレハルドでは漁業が中心とはいえ、ノヤブリスクと同様に石油・ガス田開発の労働者が流入し、人口が増加しました。ひとつの地方としてヤマロ・ネオツ自治管区を取りあげましたが、ロシアを知るにはどこであってもエネルギー(原油・ガス)資源がキーポイントになるようです。改めてロシアとエネルギーの密接な関係を知ることができました。
参考
・「世界で唯一、北極圏にある町での生活 極北ロシアの町の生活を写真で見る」ロシアNOW、2015年12月12日
・「ヤマロ・ネネツ自治管区」 2016年10月25日 (火) 16:26 UTC 『ウィキペディア日本語版』https://ja.wikipedia.org/
・「サレハルド」 2016年12月17日 (土) 16:33 UTC 『ウィキペディア日本語版』https://ja.wikipedia.org/
・「ノヤブリスク」 2016年3月25日 (金) 09:23 UTC 『ウィキペディア日本語版』https://ja.wikipedia.org/